1年生「いくつといくつ」で行う数当てゲームです。3人が2枚ずつ持っているカードを、ヒントをたよりに当てていきます。最初はとても無謀に思えたカード当てが、きまりを使うと1通りに決まってしまう。はじめての授業公開(授業参観)でも行った授業です。
どんなネタか
Aくん、Bくん、Cくんの3人が、それぞれ2枚のカードをもらいました。
だれがどのカードをもっているのかを当てましょう。
黒板に1〜9の数字カードを貼り、裏返してまぜてから、3人に2枚ずつ配ります(3枚はあまります)。裏返してまぜても、教師が意図的にカードを選べるようにしておきます。
授業の流れ
1. 問題をつかむ
「Aくん、Bくん、Cくんの持っているカードは、それぞれ何でしょうか」と聞きます。
ヒントは教師から出すのではなく、子どもから求める声を待ちます。6月の授業公開でも、最初のヒントを出すまでに一見無駄に見える数分のやりとりがありました。「超能力じゃないんだから全然わからない」「残りのカードを見せて」など、いろいろな声が出ていました。すぐ「ヒントを言うよ」と言えばこの時間はカットできます。でも、子どもがこの教材に自分から関わっていく姿が大切だと思っています。
2. Aくんについて考える(あわせると4)
「2と2」「1と3」「3と1」が出ます。3通りあるからまだ決められないね、と返すと、子どもが動き出します。
順番は関係ない、という見方が子どもから出てきて、Aくんは「1と3」に決まります。授業公開のときは「4と0」「0と4」も出て、「0のカードはない」と消えていきました。
3. Bくんについて考える(あわせると11)
「6と5」「7と4」「8と3」「9と2」「5と6」が出ます。
ここで教師はとぼけます。
それでも「6と5」「7と4」「9と2」の3通りが残り、これより先は決められません。
4. Cくんについて考える(あわせると8)
| 出てきた考え | どうなった |
|---|---|
| 5と3 | × Aくんが3をもっている |
| 6と2 | これに決まり |
| 4と4 | × 同じカードは2枚ない |
| 7と1 | × Aくんが1をもっている |
Cくんは「6と2」に決まります。すると、
5. Bくんについて、ふたたび考える
| のこっていた考え | どうなった |
|---|---|
| 6と5 | × Cくんが6をもっている |
| 7と4 | これに決まり |
| 9と2 | × Cくんが2をもっている |
全部決まったところで、3人のカードをすべてオープンします。「おぉ、あってた。やったあ〜!」
?(ハテナ)が生まれるおもしろポイント
最初はとても無謀に思えたカードの数当て。それが、1〜9のカードが1枚ずつしかないことや、カードの合計のヒントを使うと、なんとA、B、Cの持っているカードが1通りに決まってしまうことが面白いところです。
ちょっとしたコツですが、Aくんが分かったからとオープンせずに、3人のカードをすべて推測し終わって、最後にまとめて1人ずつオープンしていくと、子どもたちはとても盛り上がります。
教師と子どものやりとりをすべて載せた展開例は、『算数 おもしろ問題で愉しい!授業づくり』(東洋館出版社)に収録しています。
Amazonで見る授業公開で意識していたこと
子どもたちから動けるようになってほしい
先に書いたとおり、最初のヒントを出すまでの時間を大事にしました。教材への働きかけが、子どもの側から出てくること。それがねらいの1つです。
仲間と学び合う場をつくる
授業中、何度も「ちょっとわからない人?」と聞きました。「わからない」を安心して言えるクラスにしたいと思っているからです。だれかが手をあげたら、先に理解できた子がその子に向けて説明します。そして、最初に「わからない」と言った子に、最後は必ず発表してもらいます。うまくいかなくても大丈夫。もう一度、仲間の説明を聞けばいいのです。
「もう一度言える?」と何度か聞いていたのは、仲間の意見をちゃんと受け取れているかの確認です。1年生は、自分の意見を言うのに夢中で、人の話を聞けていないことがあります。話し合いは、仲間の意見を聞くところからです。
ルールの把握には時間がかかるものです
1〜9のカードが1枚ずつしかないこと、同じカードや0・10のカードがないこと。これが授業中、何度も話題になりました。見ていた方は「さっきルール確認したよね」と思ったかもしれません。
でも、1年生です。一度言っただけで理解できるわけがありません。何度もやってみて、少しずつわかっていく。それが1年生、いや子どもです。だから失敗も大事です。実はこの授業、何度かやっているのですが、「2と2」と言ったあとにも必ず「4と4」も出てきます。それも踏まえて授業を組んでいるので、問題ありません。
授業で使うときのポイント
- カードは教師が意図的に選べるようにしておく。裏返してまぜたように見せつつ、Aくん「1と3」、Bくん「7と4」、Cくん「6と2」になるようにします。
- ヒントは子どもが求めてから出す。「あわせるといくつか教えて」という声を待ちます。
- 教師はとぼける。「3通りあるから決められないね」「そんなわけないでしょ」と返すことで、子どもが理由を説明しはじめます。
- Bくんで行きづまるのが大事。3通りまでしかしぼれないから、「先にCくんを考えよう」という発想が生まれます。
- オープンは最後にまとめて。1人わかるたびに開けず、3人とも推測し終えてから開けると盛り上がります。
あわせて4は、同じカードがなければ「1と3」だけ。あわせて8は「1と7」「2と6」「3と5」の3通りですが、Aくんが1と3を持っているので「2と6」だけ。あわせて11は「2と9」「3と8」「4と7」「5と6」の4通りから、AくんとCくんのカード(1・3・2・6)を含むものが消えて「4と7」だけ。あまりの3枚(5・8・9)を見せなくても、答えは1通りに決まります。数を変えるときは、1通りに決まるかを先に確かめておくと安心です。